流されず逆らわず

コンピュータ関連のお仕事をしております。不惑を超えても惑い続ける男です。二児の父。

三笘選手が楽しみ

去年のワールドカップ、楽しかったですよね~。森保監督の采配に賛否がありましたが、これまでのワールドカップの中でも一番夢を見させてくれるワールドカップだったと思います。

 

今回のワールドカップの日本選手の中で一番輝いていたのは誰か?おそらく多くの人が三笘薫選手のことを挙げると思います。ワールドカップでの活躍「三笘の1mm」を代表するような活躍ありましたよね。それ以外にも、スペイン戦でカルバハル選手をぶち抜いて浅野選手にクロスを上げたところや、クロアチア戦のドリブル独走からのシュートなどが激熱でした。

 

最近ではイギリスのプレミアリーグでも大活躍中。ドリブルにパスなどプレーの多彩さはもちろんのこと、最近はシュートの決定率も上がっており、観ていて楽しい選手です。今日はそんな三笘選手について書いてみます。

 

私が気になった理由

私が三笘選手のことを気にするようになったのは2年くらい前?に三笘選手が川崎フロンターレに入って1年目のことです。私の知り合いやツイッターのフォロアーが川崎フロンターレのファンの方々が三笘選手ファンで、劇押ししていたのです。とにかくヌルヌルドリブルがすごいと。

 

もちろんオリンピックやワールドカップの最終予選でも気になってみてました。確かに上手い選手という印象でしたが、正直に言うと当時はここまで活躍するとは思ってませんでした。もはやワールドクラスといっても過言でないレベルの活躍です。

 

私の記憶を思い起こすと、昔から世界を感じさせる選手はいました。カズ選手、中田英寿選手、小野伸二選手、本田圭佑選手、中村俊輔選手、宮市選手、香川選手、他にもいっぱい!etc...

 

これまでスピードがすごい選手だったり、テクニックに優れていたり、得点感覚がすごかったり、ドリブルが優れる選手だったり、体格や足元のうまさに秀でている選手だったり、パスやフリーキックの精度がワールドクラスだったり、ハートの強さが人並外れていたり…

 

まぁ、そのような選手は過去に多くいましたが、これまでの日本選手の誰とも違うんですよね。うまく表現できませんが、見ていて楽しいんです。おそらく、今所属しているブライトンのサッカーとの相乗効果もあるかもしれません。特にドリブル突破などのプレースタイルが人を魅了するような気がします。

 

三笘選手の経歴

三笘選手はさぎぬまFCでサッカーをはじめ、その後に川崎フロンターレの下部組織に所属していました。高校生を卒業するタイミングでフロンターレからプロ入りを打診されたけど筑波大学への進学を選択。大学卒業後にフロンターレ川崎入りした後、ベルギーへのレンタル移籍を経由しプレミアリーグのブライトンで活躍中です。

(一部Wikipediaから拝借)

 

2006-2009 川崎フロンターレ U-12

2010-2012 川崎フロンターレ U-15

2013-2015 川崎フロンターレ U-18

2016-2019 筑波大学

2020-2021 川崎フロンターレ

2021-2022 ベルギー ユニオン・サン=ジロワーズ( ブライトンからのレンタル移籍)

2022-現在 イギリス ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC

 

そんな三笘選手の価値は爆上がり中。

 

2021年に川崎フロンターレからブライトンに移籍した時の移籍金は3億9000万円でしたが、2022年12月のワールドカップ終了後は約20億円の価値があるとも報道されました。それだけでも凄いですが、その後の活躍で2023年2月には所属するブライトンが三笘選手の移籍金を5000万ポンド(約80億円)に設定したとも伝えられています。

 

日本のサッカーファンの中には日本歴代最高のサッカー選手になるという人もチラホラいます。それぐらい三笘選手の評価が高まっているんです。

 

なぜ、三笘選手は大学進学したのか?

ここで1つ疑問が出てくるわけです。なぜ、三笘選手は高校卒業後にすぐJリーグ入りしなかったのか?ネットでも同様の疑問を呈している人がおおく、大学を経由せずにプロ入りした方がよかったのでは?という意見も散見されます。

 

サッカー選手の寿命は長くありません。もし大学に行かなければ、4年若くプロに入れて、海外移籍も早期に実現でき、もっと早くビッグクラブで活躍できたのではないか?そう思う人が多くいるので仕方ないと思います。

 

本人の悩んだことでしょう。しかし、本人はプロに進むほどの自信がなかったと語っています。以下、Numberの記事。

 

フロンターレ昇格を蹴って進学。筑波大・三笘薫、人生の選択について。

number.bunshun.jp

三笘選手はこう語っています。

 

「はっきり言って、当時はプロでやっていく自信がありませんでした。1学年上の三好(康児)選手や板倉(滉)選手の姿を見て、客観的に考えたときに、トップでやれる自信が決定的に足りなかった。その現状から、将来を考えると筑波大に行った方が良いと思ったんです。

 

高卒からプロ入りした選手がプロの壁にぶち当たっていたのを目の当たりにし、大学進学を決めたようです。冷静な考えに基づいた判断だったようですね。

 

当時、川崎フロンターレのスカウトの向島さん(清水エスパルスで活躍してたよね!)が大学生だった三笘選手をこのように見守っています。

 

「フロンターレに戻って来たときの姿を想像しながら、ずっと彼のプレーを見ています。大学に行って、彼のスケールは間違いなく大きくなった。体つき、スピード感もそうだし、そのスピードの中での質が格段に上がりました。中でも仙台戦の彼の存在は本当に際立っていた。大学で人間的にも大きく成長したし、1年から継続して試合に使ってもらったことが大きかったなと感じますね」

 

大学時代にも大きく成長する人、伸び悩む人、いろいろな人がいると思いますが、プロのスカウトの目から見て、三笘選手が大学に進学したのは正しい判断だったようですね。大学では体育学を学び、プレーそのものだけでなく身体のことを気を配れるようになったとのこと。ちゃんと考えられてますよね。

 

大卒のサッカー選手で海外で成功した事例といえばイタリアのインテルに所属していた長友佑都選手のイメージがありますが、長友選手は大学卒業前にJリーグでプロ入りしているので少々事情が異なります。三笘選手はサッカー日本代表を目指す選手にとって、大卒経由という新しいロールモデルを示してくれたのではないでしょうか。

 

他のスポーツと比較するのは野暮ですが...

そういえば似たテーマで書いたことを思い出しました。スポーツ選手が若年層から海外に行ってチャレンジすべきか?それとも、日本国内で基礎体力や技術力の向上に取り組み、その後に海外チャレンジをすべきなのか?

 

大谷選手が日本球界入りを検討した時に日本ハムファイターズのスカウトが大谷選手へのプレゼンテーマにしました。この時の結論は、日本球界で技術を磨いた後にメジャーリーグに挑戦するのが最良、という提案内容でした。

 

nagas.hatenablog.com

今回の三笘選手は「日本プロvs海外プロ」ではなく「国内プロvs大学進学」というテーマですが、着実にステップアップしていくという意味で類似していると思います。

 

大谷選手の場合には、育成システムに優れる日本球界でプロの世界に適応し、技術面や体力面での向上に努めた後、メジャーリーグ挑戦に挑戦したほうが成功する可能性が高いとの内容でした。

 

この内容は今でも理にかなっていると思います。今では海外で活躍するプレーヤーが増えましたが、多くのスポーツで高校卒業直後に海外挑戦し、その後も一線級で活躍してる選手はまだ数えるほどしかいません。

 

自己分析をおこない、成功する自信がなければ成功できる道筋をしっかりと考えて実践すべきなのです。アマチュアである高校生とプロの世界は大きく違います。三笘選手はまずは「プロ」の世界で成功するのがよいと考えたのでしょう。

 

三笘選手は天才なのか?

そこで気になることがあります。三笘選手は昔から天才だったのか?

 

「世界で三笘だけ」筑波大の恩師が明かす“1mmアシスト”三笘薫…陸上関係者を仰天させた話「彼を天才だと言う人もいますが…」

 

number.bunshun.jp

 大学時代からアジリティーは群を抜いていたという。入試の実技テストから30m走はダントツの速さ。入学後、体育の授業を担当した陸上競技の跳躍を専門とする先生から「陸上選手並のバネを持っている学生が一人いた」と驚かれるほどの瞬発力を持っていた。さらに、三笘は持っているその能力をより伸ばすことに力を注いだ。筑波大で陸上の専門家から走る指導を受け、スプリント力の向上に努めたという。

 

たしかに、高校時代からスプリントはダントツの速さで、陸上選手並みの速さを誇っていたようですね。では、身体能力に優れる「天才」だったのでしょうか。筑波大学の恩師はこう語ります。

 

「世界のトップを目指すサッカー選手にとって、大学で何者になれるか、分からない4年間を過ごすのは、精神的にきついところもあったかもしれません。それでも、目標に近づくためにどうすればいいのか、『なりたい自分』から逆算して努力していました。『すごい』だけではなく、地道に泥臭く一つひとつ壁を乗り越えてきたことも知ってもらえるとうれしいですね。彼のことを天才だと言う人もいますが、私は“自己改善”の天才だと思っています」

 

一言でいうと努力の天才ってことでしょうか。なりたい自分を描くこと、現状を冷静に分析すること、そのギャップを着実に埋めていくこと。まさに成功する人に共通した思考ですよね。おそらくは、選手としての大成だけではなく、指導者も視野に入れたサッカー人として、さらには一人の人間としてビッグになる(死語)になろうとしてるのが伝わってきませんか?

 

三笘選手の論文

そんな三笘選手は、サッカーのドリブルをテーマにした卒業論文を書いているんですよね。その多くはベールに包まれていますが、卒業論文のタイトルは

 

「サッカーの1対1場面における攻撃側の情報処理に関する研究」

 

という題名だったようです。

 

ドリブルの三笘選手 ワールドカップ活躍の原点は? 筑波大監督に聞く

www.nhk.or.jp

論文の詳細はわかりませんが、どうやらGoProを使ってカメラを頭に装着し、その映像から他の選手との優位性を確認した内容だったようです。ネットをあさってみましたが、論文そのものは見当たりませんでした。まぁ、学部卒の論文ですからね...

 

 

ちなみに、Numberが「なぜ、自分のドリブルは抜けるのか」って記事書いてますが

 

number.bunshun.jp

 

そんな題名で書いてないです。って三笘選手が否定してますww

 

私が思う心配なところ

三笘選手は現時点で年齢が25歳とサッカー選手としてはそこそこいい歳なので、怪我しないかどうかはとても気がかりです。なので、やっぱり怪我は心配なんですよね。(小野選手、けがで戻らなかったし)

 

また、世界的ドリブラーもけがなどでパフォーマンスを最大限発揮できる年数は少ない。あのネイマール選手ですら、最大限のパフォーマンスを発揮できる期間は短い。その背景に、ボールを保持する時間が長くなればなるほど対戦相手から警戒され削れられ、怪我が多くなることが挙げられます。

 

ただ、一方で、三笘選手はプロになってから日が浅いことも事実なので、伸びしろも大きいと信じてます。ドリブルだけでなく、20231月のリバプール戦のシュートはすばらしかったし!Bravo!

 

www.youtube.com

私が感じたこと

1年前に三笘選手がここまでの選手になるとどれだけの人が思っていたでしょうか。私は正直にいって、三笘選手がここまでプレミアリーグで通用するとは思っていませんでした。けれども、実際にいま大活躍をしているわけです。

 

そう考えると、具体的な目標を持って考え行動できる人は本当に強いですよね。スポーツの世界でも自分で目標を考え、現状とのギャップを冷静に読み取り邁進できるのが大事ってことです。そして、三笘選手は冷静な分析に基づいて将来を考え行動できる選手ということ。

 

そのほかにもいろいろな要素があります。めぐり逢いの妙というか運もあると思います。デゼルビ監督に代わったことやトロサール選手が移籍希望したことも大きい。デゼルビ監督のサッカーは面白いし、ブライトンの他の選手たちもすごいし、他にも書きたいことはいっぱいあるけれどこれぐらいにしておきます。

 

応援してます。くれぐれもお怪我だけはなさなぬよう。

 

さらに一段の飛躍を期待しています。そしてまだ気が早いかもしれませんが、将来は監督になってほしいですね。決して中田英寿さんコースにならないように!!