流されず逆らわず

コンピュータ関連のお仕事をしております。不惑を超えても惑い続ける男です。二児の父。

伊藤穰一さんの「テクノロジーが予測するミライ web3、メタバース、NFTで世界はこうなる」を読んだ

最近は仕事が忙しいのであまり読書は少なくなったのだが、伊藤穰一さんの本を読んでからというものの、web3が気になって仕方がない。

 

伊藤穰一さんはMIT(マサチューセッツ工科大学)のメディアラボの所長を続けていた人で、いまは(いろいろあって)辞職して千葉工業大学の変革センター長をはじめ、日本のインターネット関連の業務に就いている方です。伊藤さんは2011年時点で2度の大学中退を経て学位が無いにも関わらず、MITメディアラボを任せられたようです。このことは伊藤さんがいかに優秀なのかを表していると思います。

 

アラフィフのIT界隈の方にとっては、デジタルガレージのJoiさんといえば通じるのではないでしょうか。2021年、一時期は初代デジタル庁の関連業務にも招聘すべきとの声が上がったほどのお方です。2021年の8月くらいにweb3という単語を聞いてからというものの、web3は少しは気になっていたのですが、きっとこのムーブメントは時間を経て本格化すると確信しました。その伊藤穰一さんがweb3を解説しているのがこの本です。

 

世界は日々変わっているんですよね。日本でテクノロジー界隈に離れて過ごしている人はきっと気づかない。けれども、テクノロジー界隈は確実に変わっています。そのことに敏感になったほうがよさそうです。私はこの本を読んで確信しました。

 

 

おそらく、ここ15年ぐらい続いたGAFAの時代はもうすぐ終わります。一昔前のWintelの時代が終結したように。それぐらいweb3にはインパクトがあると思います。きっと、GAFAそれぞれの会社は生きながらえるのでしょうが、世界のトップランナーとして評価され続ける時代は終わるのは間違いないと思います。

 

 

この感覚は、45歳~55歳ぐらいの世代で、今IT関連の業務に携わっているひとはきっと感じているのだと思います。新陳代謝が活発なテクノロジー業界で、リーダーは常に変わっているんですよね。そんなことを思い出させてワクワクさせてくれる本なんですよ。

 

 

長らく感じていなかったけれども、この本を読んでいると、2000年前後に熱狂に包まれた「BitVally」のことを思い出すんですよね。2000年前後にインターネット界隈が熱狂した!まさにあの頃に似ているの。なんというんですかね。何か凄いことができそう!!!けれども、どうやったらよいかあまりよくわからず、けど、皆が情報に飢えていて、確かな情報を必要としてるのに、確実なことがよくわからず試行錯誤している。

 

ホリエモンさんも藤田晋さんも、ひろゆきもみんなこの世代を過ごしたんです。インターネットで凄いことができると思いつつも、みんなで祭りを楽しんでいた...そんな時代でした。

 

で、web3にはその時に似た熱狂を感じるんですよね。なんだかよくわからないけれど、でも、何か凄そう!楽しそうだから俺も参加してみようか!そんな空気感があるんですよ。みんなが参加することで、社会の在り方が変わる、会社のありかたが変わるんじゃないか、ってそんな雰囲気があるんです。

 

ある意味で当たり前ですが、web3はみんなでみんなの貢献度を正しく評価できる仕組みなんです。もしかしたらそんな時代がすぐそこにまで来たのだと思います。さまざまな組織で発行されるトークンを通じてコミュニティが活性化され、時には一緒にコラボしながら新しい何かを産み出していくのです。

 

それがDAO(分散型自立組織)です。中央集権的なリーダーがなく、組織の参加者が平等な立場で組織運営される仕組み。その組織内でガバナンストークンという投票組織で意思決定がされる、それがDAOなんです。

 

確かに、いまのNFT界隈には短期的なお金儲けを第一に考える人たちもあふれているので、仮想通貨の盛り上がりの時のようなちょっと怪しげな雰囲気も感じます。しかし、私はそれだけではない雰囲気も感じています。もうすこし中長期の社会を変革していくムーブメントなんじゃないかと思うんですよね。

 

この雰囲気は、20世紀後半に日本で盛り上がったインターネットブームに似ていると感じることが多々あるんです。BitVallyの時にも一攫千金を目指して企業がブームになりました。そのときにもIPOブームが広がり、いかに瞬足でミリオネアを狙うかみたいな議論がされていたような気がします。

 

けれども、そのインターネットバブルがはじけ、その後に残った企業は長期的な視野に立った企業たちでした。amazonしかり、appleしかり。googlefacebookはできたばかり。ブームのときほど理念や経営者の思想が大事になり、バブルがはじけた後もしっかりと企業運営を継続できるんですよね。なので、いま、NFT界隈の短期的なマネタイズを求める人は淘汰されていくような気がします。

 

私はインターネットバブルを経験しているからか、いまのweb3はインターネットバブルに似た雰囲気を感じつつも、ここで生き残る企業たちは、短期的な収益を追い求めすぎず、理念がしっかりした企業が生き残っていくんだろうなとは思います。

 

少なくとも私は2016年ぐらいに盛り上がった「仮想通貨で億り人」みたいなとは違う雰囲気を感じています。何の根拠もないけど。

 

 

最近はテレワークが多くなってしまい外出が減ってしまったので、意識して業務終了後に自宅の近所を散歩するようにしています。その時のお供がこのポッドキャスト。ミライを感じられてとってもいいです。20年ちょっと前に戻ったようで、インターネットが何者かがまだ分からなかった時代を思い起こさせてくれてとってもワクワクします。みなさんも良かったらぜひ。

joi.ito.com