ドコモの夏野氏が退任か?――転換期を迎えるケータイ市場
28日、日経新聞がNTTドコモの夏野剛氏が4月末で退任するという報道がなされているが、NTTドコモは人事に関わることなので現段階では事実かどうかも含めてコメントできないとしている。
夏野氏は、現在NTTドコモの執行役員を務めている。iモード企画部の部長としてiモードやおサイフケータイのサービス開発などに尽力した人物として有名だ。新聞報道によれば、ドコモですることはすべてやったというのが退任する理由のようだ。http://www.rbbtoday.com/news/20080328/49905.html
(RBB Todayより転載)
記事は本当かどうかよくわからないが、本当だとすると一時期を形作ってきた人だけに残念。
彼の著書、iモードストラテジーには興奮した。後付けの結果論との批判も多かったが、いま見直して見ても書いてあることは間違っていないし、内容として唸らされるものも多かった。そして、ミスターiモードとしてキャラが立ってた。
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彼が発するメッセージは常にはっきりしていた。
ビッグマウスと叩かれることも多いけど、そうじゃないとiモードはここまで成功しなかっただろう。
もちろん、iモードの成功は夏野氏だけの功績ではないが、こういう人は日本にもっといてもいいと思う。
ただ、最近は露出度が以前ほど多くなく、コメントに元気が無かったかな。
905でのプレス発表などを見てると、彼が退任するのは規定路線だったのかなと感じる。
一部で批判が多い「ヤツのおかげで日本の携帯市場がガラパゴスになった」とあるが
ケータイがパラダイス鎖国になったのは彼だけの責任ではない。
むしろ彼は、日本発のサービス展開を目指し、海外進出をもくろんでいた。
決して日本だけを見ていたのではない。結果として失敗したし、多くの損害をドコモに与えた。
彼の人格を問題視する声もあり、社外だけでなく社内にも相当多くの敵を作ってきたようだ。
そこは、知人経由でどんな人かは伝え聞いたことはあるが、直接会ったことはないのでよくわからない。
今後、携帯キャリアはインフラビジネスに特化する方向になっていくだろう。
「いかにしてドコモ独自のサービスを展開していくか」の視点でサービス展開してきた、
彼にとってはやるべきことは既にドコモではなくなってしまったのかもしれない。
功罪はあると思うけど、日本の携帯業界が発展してきたのは彼のおかげでもある。
ビジョンは間違っていなかった。夏野氏の次の一歩に期待したい。