海部美知さんのパラダイス鎖国を読み終えました。
パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本 (アスキー新書 54)
- 作者: 海部美知
- 出版社/メーカー: アスキー
- 発売日: 2008/03/10
- メディア: 新書
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冒頭部分の海外に対して興味を失っていく若者の記述は、対応する80年代をすごした方の視点で、自分には無かったものだし、携帯電話のパラダイス鎖国に関しては、本人の専門分野だからこそ書ける簡潔な内容だし、電気産業に見る内弁慶は、さすが日本の製造業にいたことを感じさせ、わかりやすい親しみを持った文章として読むことができました。
日本は思ったほど競争力は落ちていないし、内需主導の経済はここ数年それほど変わってないというのは意外な真実。
課題としては、「議論の分かれる部分」に関して日本人は弱いのが、今の閉塞感を生んでいるという原因という内容にも納得。
ジャパンブランドを維持するためにはイノベーションベースの経済体質を強化し、どんどん変化していく技術や市場に対応することが必要というところは全くもって共感できる。
ただし、なんだろうなぁ。内容的には、よく書かれていると思いますし、何も問題は無いんですけどね。。。
ブログを常日頃から拝読しているからなんでしょうか。
もうちょっと、こう・・・。海部さんの独自の視点というか、もっと生の声を聞きたいような、そんな気分になってしまいました。
たぶん、梅田さんの解説にある「秀逸なコピーライターとしての才能」というのが海部さんを表しているように思いますが、
「ユニークでソリッドなキャリア」に裏打ちされた感性に訴えかけるもう一押しが欲しかった、というのが正直なところです。