流されず逆らわず

コンピュータ関連のお仕事をしております。不惑を超えても惑い続ける男です。二児の父。

老いても元気に

去年の手帳を整理してたら、雑誌Wedge(ウェッジ)の切れ端が出てきた。去年の秋ごろだったか、読んだ雑誌の一部を切り取って手帳の中に入れ、そのまま忘れていたようだ。
鈴木遼太さんの四季のかばんというコラム。筆者が聖徳大教授の山口博先生による万葉集講義を受けているという内容だ。


万葉集763番、百年に老舌出でてよよむともわれはいとはじ恋は益すとも/大伴家持
山口先生、笑っていう。


「わかるでしょ、あなたが百歳になって、歯が抜け、老舌がペロリと出て、実はよろけていても、あなたへの私の恋心は増すばかりですよ。アハハ」


日本古代を代表する歌人家持さん、何ともはや、である。どんな女御に渡したのだろう。返歌はあったのか。こんな口説き方、あるのだね。


実に粋な口説き方。たいしたものだ。

日本のノーベル賞作家、川端康成に『眠れる美女』という作品がある。主人公の江口老人(67歳で老人かねえ?)は、紹介で裸で眠る処女と一夜、添い寝ができるという宿(!?)に行く。最初に宿の女から「たちの悪いいたずらはなさらないでくださいませよ」といわれるが、薬で眠る美女との一夜。江口は、何度も通うようになって、という小説。


へー。川端康成がそんな小説書いていたのか。ところがこのコラム、その後も面白い。

南米コロンビアのノーベル賞作家ガルシア・マルケスの『わが悲しき娼婦たちの思い出』(新潮社刊)扉に、なんと、川端康成眠れる美女』冒頭の3行がある。読んで刺激を受けたのだろう。マルケスの方は、さらに凄い。90歳の誕生日は、処女の美女と思いっきり淫らなことがしたい、という男の目茶苦茶である。男って幾つになっても駄目だけど、大作家を想うと、可愛くもある。


このコラムのしめは、穏やかな老後を望むよりも、眠れる美女の肌に触れていたいって方が自然ですよねーそう思いません!?。という内容。


このコラムを読んで思ったのは、日本も外国も関係なく、やっぱり男はオトコなんですなぁ。ってこと。なんか、昔の人を知らないからなんだろうけど、昔の人は煩悩というものが全く無いという勝手なイメージをしていたのだが、よく考えると同じ人間なんだから、それほど変わるわけがないんですよね。


ただ。どうなんだろう。自分が老人になってからそういうことを考えるものなのだろうか。ただのエロジジィと呼ばれそうだな。。
いずれにせよ、ずっと元気なおっさんであり続けたいと思う今日この頃でした。