流されず逆らわず

コンピュータ関連のお仕事をしております。不惑を超えても惑い続ける男です。二児の父。

iPhoneの端末使用料って

海部美知さんのブログTech Mom from Silicon Valleyに面白い記事があった。

携帯業界が亡霊に怯える理由

iPhoneには販売奨励金が無い代わりに、加入者あたりの月額費用をAT&Tからもらってるって話。

AT&Tは、iPhone加入者一人につき毎月18ドルをアップルに払っているのでは、というものだ。


ふむふむ。端末メーカーが月額費用を徴収するのか。。
AppleiPhoneが売れると
・端末の販売で儲け
・月額でキャリアからお金が入ってきて
・ユーザーがiTunes Wi-Fi Music Storeからダウンロードする曲の収入で儲ける


という3度おいしい仕組みなわけだな。ちなみにiPhoneの価格は8GBモデルが定価599ドルで原価は280.83ドルと言われていた。
Cnetの記事参照)その後、8GBモデルは399ドルに値下げしたけど、まだまだ儲かる。(もちろん、研究開発費は別ね。)

キャリアにとっては、自分の血管の中まで侵入されてしまった感じがするだろうと思う。月々の料金を長いことかけて積み上げていくのがキャリアの強さの源泉なので、一度に払う奨励金と、月々のrevenue streamからのロイヤリティ支払いというのは、心理的・文化的に意味が違う


月額費用が入ってくるのがキャリアの強みなのに、その強みをiPhoneに持っていかれるわけだ。優れたデバイスを作るだけで、月額の固定費用が入ってくるなんて、なんておいしいんでしょう。通信キャリアからすると、「おいおい、月額費用を請求するんかい!」という気分でしょうね。

金額的には、AT&TARPU(顧客あたりの平均月額売上げ)はだいたい50ドルなので、この推計が当たっていれば、36%をアップルに持っていかれることになる。2年契約の間で合計すると432ドルとなり、これまでの端末奨励金のレベルから考えても高い。


キャリアからするとiPhoneにすることで通信トラフィックが増えてネットワークの新設や維持コストが増えて収益を圧迫するだけでなく、月額費用増という新たな負担を強いられる。
サービスのオープン化によって、これからキャリア縛りをすることがどんどん難しくなってきますが、このままだと日本もアメリカも携帯電話会社はただのネットワーク屋さんになってしまいますなぁ。