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流されず逆らわず

コンピュータ関連のお仕事をしております。不惑を超えても惑い続ける男です。二児の父。

中原圭介さんについて


彼の著書「サブプライム後の新資産運用」を読んでから彼のブログを拝読しているのだが、なかなか面白い。


彼は数字を使って具体的な未来を予想する。そして、そう考えた根拠も明確にする。予想が外れたときには素直に訂正する。覚悟を決めた人の文章を読むのは面白い。
http://blog.livedoor.jp/asset_station/


ご存知の方も多いと思うので詳細は書かないが、ファイナンシャルプランナーで資産運用を指南する人です。彼が他の経済学者と違うのは彼のバックグラウンド。
wikipediaにはこうある。

中原圭介
歴史学や哲学、心理学を重んじる異色のファイナンシャルプランナーエコノミストである。というのも、彼は大学在学中に文学部で歴史学を専攻していて、歴史学実学のレベルまで引き上げることを目標にしていたようである。その後、歴史学だけでなく、哲学や心理学も学び、経済や市場を分析・予測する独自の技術を習得したと自身のブログで述べている。


彼は、数字を使って具体的に予想する。

2009年04月30日
今年と来年の大雑把な株価予想
日経平均株価は昨年10月安値と今年3月安値である7000円でダブルボトムを形成しました。そのことにより、世界的な景気後退の底打ちは確認できていないものの、日経平均株価の下降トレンドは当面の底を打った可能性が出てきたことを、3/30の記事では書きました。

一方で、昨年11月高値の9500円、今年1月高値の9300円が強力な上値抵抗ラインとして意識されています。たとえ好材料が重なり、9500円を一時オーバーシュートすることがあったとしても、高値は10000円が精一杯になるのではと見ています。

よって、日経平均株価は高値のレンジが9000円〜10000円、安値のレンジが7000円〜8000円のボックス圏相場に突入した可能性が高まっています。

そして、予想をはずした場合は原因を明確にし、訂正版の予想をたてる。

2009年06月12日
高値の予想は難しい
日経平均株価が10000円を超えて、市場ではさらに強気の予想が出始めています。根拠のない上昇がいつまで続くのかはわかりませんが、はっきりしていることは、4月30日の記事における私の日経平均株価の高値予想が外れたということです。記事では、「高値は10000円が精一杯になると見ている」と書きました。

(中略)

それでも、10000円を超える局面では、ポジション整理をする絶好の機会だと捉えています。

ブログでこう断言することは、かなり勇気がいることです。できれば今後の重圧になるかもしれないこの種の発言は、書かないほうが楽なのかもしれません。しかし、それが私のブログで果たすべき責任であると感じています。

昨年の戻り高値の頃と同じことを書きますと、私の経験からはここは欲を抑えないと危ないところだと考えています。市場の楽観が悲観に変わるのは一瞬であると思います。


現在、彼の指摘は正しいものになろうとしている。
また、経済予測だけでなく、今年(2009年6月19日)にはこう書いている。

偽りの「景気底打ち宣言」
政府は17日に発表した月例経済報告で、「一部に持ち直しの動きが見られる」として、主要先進国のなかでいちばん早く「景気底打ち宣言」をしました。


「景気底打ち」を判断した主な原因は、4月の鉱工業生産指数が前月比で56年ぶりに高い伸び率を記録したことにあるようです。与謝野経済財政担当相は、「輸出・生産は明らかに1〜3月が底だった」と述べています。


政府が「景気底打ち宣言」をするのはほぼ間違いないだろうと思っていました。東京都議会選挙と衆議院選挙が迫っているので、「自民党景気対策により景気が回復している」と国民に印象付けるために、景気判断のマジックを仕掛けざるをえなかったのです。景気判断をするときに、どの経済指標を使うかによって、いくらでも結果を変えることは可能です。

そして今回の判断が、6月6日の記事で取り上げたマジックの事例とほぼ同じ内容になったことも、興味深いです。完全失業率が下落傾向であったとしても、鉱工業生産指数が1ヶ月でも上向きになったのであれば、鉱工業生産指数に根拠を置いて説明し、景気は底打ちしたと判断することができるのです。それが、早くも具体的に証明されました。


と、書いている。やっと不況に対する明かりが見え始めたと思っていた人は少なくなかったかもしれない。けど、この3週間後、世界はまた終わりの無い大不況に突入しようとしている。


もはや、経済予測は金融だけ学んでいてはだめで、さまざまなことを総合的に判断しなければいけないという彼の主張は正しいと思う。


「専門バカになってしまっては、周りが見えなくなる」というのは全くそのとおりで、本質を読み解こうとする理論は今のこの時代にまさに必要とされる。金融のプロが言うことがなぜあたらないのか?を不思議に思っていた人は、彼の著書を読んでみるのがいいと思う。



その考え方は、色々な業界が業態を超えてさらに密接に絡み合おうとしているこの時代において、ビジネスマンだけでなく、日々生活する人々の処世術としても応用できるのではないか。そう思ってみたりするのである。