流されず逆らわず

コンピュータ関連のお仕事をしております。不惑を超えても惑い続ける男です。二児の父。

フラット化する世界

飯田哲夫先生のエンタープライズニューズの読み方が面白い。

http://blog.japan.zdnet.com/iida/a/000525.html

話は、インドの銀行の話。なんでも、リテール決済をアウトソーシングすると発表したことに反発し、その従業員たちによって反対運動がストライキに発展したとか。

インドはアウトソーシングで成り立っている国なのに、当の本人たちがその対象になると猛反発する。滑稽な話にしか聞こえないが、本人たちが拒絶するのはある意味当然かもしれない。なにしろ、リテール決済業務がアウトソースされれば25万人が職を失うとの試算がでているのだから。
本人たちはきっとこう言うだろう。


「国家の生業と私たちの生活は別!」


確かにそうだ。
言ってることとやってることが別なんてのはよくある話かもしれません。新興勢力に抵抗する既存勢力っていう図式は昔からあるものだから。生活がかかっていればなお更かもしれん。


そういえば思い当たるフシがある。
かくいう弊社でも、最適化しましょうってな提案をしながら、業務方は必死に自分たちの業務を複雑化して、最適化とは正反対の方向にすすんでいる人たちがいるのである。(一応、これでもほんーのちょこっとは名の知れたIT系の企業のハズなのですが、あまり言うと会社がバレてしまうので)


でも、国家としては、最適化されて余剰した質の高い労働力が、他の領域で力を発揮することで、徐々にその取り分を増やしていく方が望ましい。一時的には失業者が出たとしても、競争力をつけるためには避けられないことだろう。きっと、猛反発にあって時間がかかったとしてもアウトソーシングはするんでしょう。


一時は競争相手として捉えられてなかった相手が、少しずつ高いセグメントに侵食していき、既存勢力を脅かした存在に発展していく。飯田先生はアウトソーシングを以ってフラット化する世界とおっしゃってましたが、私が連想したのはこれぞイノベーションのジレンマ。世界はものすごい速度で走っている。いい時代に生まれたものです。


ともあれ、飯田哲夫氏の文章
「カレーの嫌いなインド人」

面白い。一番うまいなと思うのは、表題のつけ方かもしれない。