皆さんには進研ゼミ(ベネッセ)からダイレクトメールが送られて来たことはありませんか?そして、そのダイレクトメールに同封されている進研ゼミのマンガを読んで、思わず進研ゼミっていいなーと思ってしまったことはないでしょうか?
私は進研ゼミのサクセスストーリーが書かれたマンガ(以降、サクセスマンガ)には、なにか魅かれるものがあると思っています。読んだだけで手軽に成功を体験でき、幸せな気分になるんですよね。
なぜ幸せな気分になるのか?そう、サクセスマンガは主人公が青春してるわけです。ライバルがいたり、憧れの先輩がいたり、幼馴染の女の子がいたり等々。そして、最初は苦悩するんだけど、最終的には仲間と協力したりしてサクセスしちゃうんですよ。
うーん青春!このストーリー。まるで週刊少年ジャンプのマンガみたい!
・・・と、以前に考えたことがあったのですが、忙しい日々を過ごすうちに、そんなことをほぼ忘れかけてました。
で、時は流れて令和の時代。。。つい最近、過去を思い出すきっかけがありました。
私には二人の息子がいるのですが、その息子たちがなぜか進研ゼミから送られてくるサクセスマンガを集めていたんです!ww
その数全部で23冊!!思わず笑ってしまいました。
本人たちに集めている理由を聞いてみると「進研ゼミのマンガが好きだから」とのこと。子供たちには私がサクセスマンガを好きだったことは伝えていないのですが、いつの間にかコレクションしていたようです。
以前から、我が子ながら変わった息子たちだなぁと思っていたのですが、どうやら私に似ていたようです。血は争えませんなぁww
で、これだけの沢山のサクセスマンガがあるならちょっと分析してみようかなと思ってしまったわけです。で、いろいろと発見があったのでここにレポートしてみることにします。
調査対象
対象学年:中1(中学講座)、小5(小学講座)
送付期間:2020年12月ごろから2021年7月ぐらい(約8か月間)
冊数:合計23冊
息子たちが子供のころ、ベネッセが運営するこどもチャレンジに登録をしていたため、定期的にダイレクトメールが発送されてきています。息子たちが送られてきたDMをすべてコレクションしていたのかはわかりません。
サクセスマンガのストーリー展開
サクセスマンガのストーリー展開は大体決まっています。ストーリー展開は若干の違いはあるものの、以下のシナリオで進行していくのです。
1.背景 進学等の環境変化で勉強の難易度が上がり、部活等で忙しくなる
2.課題 勉強がうまくいかないせいで、部活の両立が困難になり主人公が苦悩する
3.施策 他の登場人物から進研ゼミをおススメされ、さっそくやってみる
4.結果 進研ゼミのおかげで好成績。部活もうまくいき充実した学生生活に!
→進研ゼミ最高!!!
となるわけです。背景、課題、施策、などはよくある流れですよね。
それではストーリーの流れに沿ってどう展開するか細かく見ていきましょう。
1.背景
順風満帆な人生を送っている主人公。スポーツも勉強もそこそこできて、友人とも良好な関係を築き、幼馴染の異性がいたりします。そんな主人公に暗雲が立ち込めます。
→主人公が中学進学前の冬休みや春休みなどの転機になるタイミングで、読者に環境変化による勉強の難易度があがる事実を認識してもらいます。
中学に入るまでは、期待と不安が入り乱れる時期ですよね。そんな時期に、部活が始まることで勉強時間が確保しにくくなり、勉強の難易度があがる事実を突きつけるわけです。
しっかりと送付時期と課題を考慮したストーリー展開となっています。たとえば、小6の冬休みなら中学への準備期間が長い今始める重要性を説き、中学入学前の春休みなら中学入学後の難易度があがることなど。
しかし、物語の開始時点において、主人公は課題を軽視し「たぶん大丈夫だろう」的に考えあまり気にしません。
2.課題
ページが進むと主人公が壁にぶつかります。中学校に進学して、テストの点数が一向に上がらず、部活などで勉強時間が少なくなる一方で勉強の難易度が上がります。そう、主人公が苦悩するのです。
その後、主人公は悩むせいで勉強だけでなくスポーツにも集中できなくなり、幼馴染などから少しバカにされたりします。小学生の頃はスポーツができて少しかっこいい俺だったのに!!そして、周りの友人からも少しずつ見放されていくのです。
まぁ、大人でも何か一つのことがうまくいかないと、実際にそのほかのこともうまくいかなくなることは、自分の人生上でも経験がありますよね。多くの人が共感できるストーリーを展開することで、読者の不安を煽るわけです。
このストーリー展開は少しリアルですよね。ネガティブなサイクルに入ってしまう危険性をここで説いているわけです。
そして、ヒロインが出てくる場合はここで少し軽蔑したりするんですよね、一方でヒロインは軽蔑しつつも何とかしなきゃと思うわけです。実際には異性のこんな幼馴染はなかなか居ないような気がしますが。
3.施策
それまでのストーリー展開では、環境変化とその対応が必要なことを読者に正しく認識してもらったわけです。そこで、解決策として(満を持して)進研ゼミが登場するわけです。
ストーリーによって異なりますが、先輩や同期のライバルなどが進研ゼミをおススメするんですよね。
進研ゼミのメリットとして、一日あたりの学習時間を短時間で済ませられることや、タブレットでゲーム感覚で勉強を進められること、そしてAIが搭載されており効率的に勉強できるので激しくおススメ的なことを別の登場人物が説明するわけです。
進研ゼミの必要性を主人公が理解した後、、、忘れちゃならないのが主人公が親に進研ゼミを始めることを説得するシーン。ここがまたいいんですよ。
親が決まって「すぐ飽きちゃうんじゃないの?」的な一言を発するのですが、これに対し子供側が「僕は進研ゼミで変わりたいんだ!」的なことを言って説得を試みるわけです。
そして親は主人公の熱意に負けて、「それなら始めてみれば」と了承をするわけです。
このシーン、激熱ですよね?良くないすか?青春時代してますよね?ベネッセ的には読者に真似てほしいんでしょうね。
私にとっては、このシーンがお決まりのパターンで、水戸黄門でいうところの印籠を出す瞬間みたいな感じです。親との質疑対応の事前シミュレーションをこうやって刷り込み、というか洗脳?してるんでしょうww
っていうか、こんな臭いセリフは今どきの小中学生は言わんやろwww、、などと思ってしまいますが、きっと私の心が汚れているのでしょう。
4.結果
その後、勉強では成績向上した主人公は部活でも集中できるようになり結果を残せるようになります。
最終的には、周囲が主人公をリスペクトするようになり大成功!あーよかったよかった。
裏表紙が最終ページで「〇月△日が申し込みの締切日なので申し込もう!」的に締めくくられるわけです。
ちゃんとサクセスできてヒロインや憧れの先輩などに褒めてもらいウハウハになってよかったね!あー、みんな幸せになりました。めでたしめでたし。
サクセスマンガ=「水戸黄門」説
進研ゼミのサクセスマンガのパターン化されたコンテンツはよくできますよね。こんなお決まりのストーリー展開が許されるのは水戸黄門ぐらいなんじゃねーかって思うわけです。
皆様はテレビドラマの水戸黄門をご存知でしょうか。もしかしたら今の若い子は知らないかもしれません。時は江戸時代。徳川家の副将軍である水戸黄門様が身分を隠して全国を行脚し、その道中で各地で悪者が悪事を暴き、黄門様が身分を明かして悪者を裁く。最終的には虐げられていた庶民が幸せになる、というお決まりのストーリーなんです。
以前にTBSで放送されていた毎週完結型のドラマで悪者がやっつけられてスカッとするストーリー。最終的には庶民がハッピーになり視聴者もよい気分に浸るわけです。
ストーリー展開は毎回ほぼテンプレ化していたため、大いなるマンネリなんてことも言われてました。特に、黄門様が身分を明かすために印籠を出すシーンが印象的でしたよね。
進研ゼミのサクセスマンガも毎回お決まりのテンプレに従って物語が進行している点で共通しています。
同学年のライバルが出てきたり、幼馴染のヒロインが出てきたり、憧れの先輩が出てくるという王道のストーリー。そして最後には主人公がサクセスして幸せになって物語が終了するわけです。
というわけで、進研ゼミのサクセスマンガは水戸黄門でしょこれ。ストーリー展開がまさに珠玉!すばらしいじゃないすか。...って言いたいのですが皆さんに伝わりますかね??
その他に気づいたこと
その他にも読み比べてみて始めて気づいたことがあります。実は、主人公がやるスポーツやライバルや幼馴染などの役割が少しずつ異なるんですよね。ちょっとずつ違う読者層にリーチしようとする努力の結果なのでしょう。
スポーツはいろいろ
主人公のスポーツは様々です。というか、サッカー、野球、バスケ、バレーボールなどのバリエーションにも富んでます。また、主人公がのめりこむものがスポーツではなくゲームのパターンもあり、それが今っぽくもあります。陰キャなどのターゲット層に対応してるっぽいのがいいですよね。
今回の観測範囲では、意外とバスケットボールが多いのが印象的ですね。
ちなみに小5講座のほうでは、まだ部活が始まらない年代だからなのか、ゲーム率が高いです。このあたり、共感してくれる層をできるだけ多くするための工夫をしていますね。
ライバル、ヒロイン、先輩の役割
進研ゼミのサクセスマンガではライバル、ヒロイン、先輩が登場します。
先輩・・・身近な成功者。進研ゼミを勧める人
ライバル・・・主人公と一緒に切磋琢磨する人(先輩不在の場合は進研ゼミを勧める人)
ヒロイン・・・主人公にほのかに思いを寄せる同級生。
実は、この登場人物たちが一度に全員が出演することはほぼありません。多くのパターンでこれら3つのうち2つが出演するケースが多いです。
長くても40ページ程度のマンガなので、登場人物を最小限に押さえてるためと想定されます。
進研ゼミ中学講座では100点はとれない
主人公が成長した後のテストでは全て満点というわけではありません。だいたい90点台中盤~後半の点数が多いです。
進研ゼミの中学講座ではターゲット層は部活と塾の両立が難しい(忙しい)学生がターゲットです。
そのため、時間をかけてガッツリ勉強するというよりも、少ない時間で効率的に勉強し、(決してトップではないけれども)高水準の結果をも問えるわけです。
進研ゼミではできるだけ少ないコストで大きな成果を上げる勉強法なので、そこそこの結果を出すストーリーになっているんでしょうね。
進研ゼミですべてのテストで満点をとるようだと現実味がなくなってしまうので、このような手法でストーリーにリアリティをだしているのでしょう。
主人公の名前がなぜかカタカナ
今回、一覧化して気づいたのが主人公の名前がカタカナな点です。なぜカタカナの名前なのでしょうか。
もしかして、カタカナの名前のほうが今っぽいからなのか?とも思いましたが、周囲を見回しても今どきの子供はあまりカタカナの名前になってないしなぁ。。
なんて考えてみましたが、理由はわかりません。もしかしたら、実在の人と同姓同名になってしまうことを嫌うのでしょうか。謎に包まれております。
ページ数は多くても40ページ
今回の送付されたサクセスマンガのページ数は多くても40ページであることがわかりました。
あまり長すぎるストーリーは小学生にとっては辛いですからね。気軽に読んでサクセスできる点もサクセスマンガの良い点じゃないでしょうか。
・同姓同名が出現する
この点は息子が指摘したポイントですが、あるストーリーの主人公と同姓同名のキャラが別ストーリに出演してる回があります。その名も菊池リョウ君。実は共通しているのは氏名だけなんですよね。
これパラレルワールドか!と思ったのですが、キャラがやってるスポーツが違ったりで設定が異なるので本人かどうかよくわからんのですよこれ。ま、このあたりよくわからんです。
まぁ、こんな感じなことがわかったことです。
まとめ
以上、進研ゼミのサクセスマンガを勝手に分析したわけですが、起承転結がはっきりしていて、安心して読み進めることができます。青春できるってすばらしいですよね。おじさんも青春に戻りたい。いや、リアルに戻りたい。戻させてくれ!!
おっさんがいったい何言ってるのかわかんねーと思うが...
ってなわけで、皆さんもダイレクトメールが送られてきたら即捨てせずにご一読してみることをおススメします。マンガを読むだけで手軽にサクセスできて、少し幸せな気分になるかもしれませんよ!
「進研ゼミのサクセスマンガは本当に、いいものですよね~」(水野晴郎 風に)
・・・おしまい。
蛇足1
実は、進研ゼミマンガを読めるサイトがあります。もう更新が終わってしまっていますが、複数のシナリオ分岐(っぽい)マンガがあったりします。
少女漫画風のやつがあったり。何か昔懐かしい感じで手軽に青春できます。
「青春したい!」って人がいたら、読んでみてもいいんじゃないでしょうか。
蛇足2
ここまで進研ゼミのサクセスマンガ愛を記載してきましたが、実は我が家では進研ゼミを契約してません。我が家の息子二人はスマイルゼミ派です。どうでもいいですね。
そんな今日この頃。