友人からオススメされたので、今更ながらレビューしちゃいます。
- 作者: 井上雄彦
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/11/11
- メディア: コミック
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いやー、熱いね。11巻。
この漫画は、井上先生が描きたかったものがぎゅーっと詰まっている。
このマンガは、誰しもが一度は考えたことがある「生きると何だろう?」
という答えがない問いに対して、重要なメッセージを発信してくれます。
人生は長く、試行錯誤しながら、迷いつつ、ちょっとずつ進んでいくもので、
終わりがないものなんだということを考えさせられました。
そして、トライアウトに立ち向かっていく野宮が、カッコわるいハズなのに、
でもすごくカッコよく見えるシーンは本当に圧巻。本当に痺れました。やられた。
このマンガを読んで、登場キャラの息遣いを感じることができれば、
多分、この意味がわかると思います。
私は読んでいて何度もグッときてしまいました。
・・・
「リアル」11巻の発売時に配られた冊子があります。
その冊子は、2011年11月11日の「リアル」11巻の発売前にキャンペーンとして無料配布されたものです。
11巻の中の1話と、作者の井上雄彦さんのインタビューが記載されていて、
ここに、作者の井上雄彦先生が表現したかったメッセージが含まれてます。
「これまでに(野宮が)積み重ねてきたこと、逃げずに立ち向かったことがあるからこのシーンがカッコいいと伝わったのだとしたら、それは本望ですね。実際には転んだり倒されたり、必ずしもカッコよくないかもしれない。でも、人の数だけカッコよさとか、正解があると思うんです。他人との比較によって出来上がったカッコよさとかカッコ悪さ、正しいとか正しくないというのは、重要じゃない。自分の中での戦いだったり、道だったり、そういうものにきちんと向き合って、何かしらの答えを出そう、乗り越えようとしてきたこと。そういう姿勢を肯定したいという気持ちがあるんです」
純粋でいて、でも諦めが早くって、
それでも諦めきれなくって、現実に叩きのめされる自分。
挫折なしの人生なんて存在しない。
そして、それでも人生は続いていくんだっていう現実。
リアルとは、自分。そして、諦めずチャレンジして自分と向き合うこと。
おそらく、多くの読者は野宮に幼き日の自分、そして今の自分を照らし合わせ、
かつて自分が持っていた「何か」を思い出したのではなかろうか。
スラムダンクの登場人物のようなスーパーマンは登場しない。
ゆえに、爽快さは無い。
けれども、不思議と「頑張ろう」という気持ちにされる、そんな作品です。