流されず逆らわず

コンピュータ関連のお仕事をしております。不惑を超えても惑い続ける男です。二児の父。

過去のコメントをなぞる−公的資金投入のススメ


今、米国発の金融危機問題。今年2月の面白い記事&コメントを発見。


日本の公的資金投入の薦め G7で相手にされず

米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題が深刻化する中、バブル崩壊後に未曾有の金融危機を招き、「失われた15年」を経験した日本は、2008年の年明け以降、国際会議などを通じて「金融機関への公的資金投入の重要性を訴える語り部を演じている」(当局筋)が、欧米各国から一顧だにされない冷たい仕打ちに会っている。


要するに、日本が過去の体験をもとに恥をさらしてまで公的資金の投入を訴えてるのに、ポールソン米財務長官から公的資金投入の可能性を明確に否定されてしまったという内容。「金融危機処理で無様な醜態をさらけ出した日本と同列に論じて欲しくない」との反発が強いというのだ。


さらに記事は続く。これに対し

かくして、日本の「公的資金投入の薦め」は国際金融マフィアの間で一向に広がっていない。日本の金融当局者は、かつて不良債権問題で欧米やIMF国際通貨基金)から破綻銀行の閉鎖や大規模な公的資金投入をしきりに催促された屈辱的な経験を持つ。それだけに今度ばかりは見返してやろうと「欧米もサブプライム問題がさらに広がってくれば、公的資金投入に踏み出さざるを得なくなるはずだ。その時の奴らの顔が見ものだ」(日銀幹部)
という声もあるが、どうなるか。
ただ、欧米が公的資金を投入せざるを得ないほど事態が一段と深刻化すれば、日本経済は大きな打撃を受けるのは必至だけに、「他人の不幸は蜜の味」というわけにはいきそうにない。


今はどう考えても対岸の火事では済まない状況で、こんな悠長なこと言ってられないわけですが。。


まあ、読んでみると記事というかこぼれ話的な内容であり、「ふーん」といった内容だが
コメント欄が実に面白い。2月の時点では「日本のいうことなんて相手にされてないよ」ってな意見が多い。

3:
匿名 2008/2/27 12:57

あー。

損失補填のための公的資金投入は、銀行だけが助かり、構造インフレを起こす下策。常識だよね。これじゃ欧米に相手にされなくても、仕方ないな。

サブプライム問題は世界経済が初めて直面した状況であり、日本のバブルとは問題のレベルが違う。過去に正解を探すのは無理だと思うよ。


7:
匿名 2008/2/27 16:31

自由主義陣営で民間銀行に無駄な公的資金など投入しないのが当たり前でしょう。
旧大蔵官僚には天下りの思惑か?


8:
匿名 2008/2/27 17:12

英国のノーザン・ロックの一時国有化は無視ですか?


10:
匿名 2008/2/28 05:24

極端な言い方をすれば、サブプライム問題なんてのは出資側(投資者)に負債を押し付ければ済む問題だからなぁ。
だからこそ流行ったわけで。


12:
匿名 2008/2/28 09:36

>その時の奴らの顔が見ものだ
国家レベルの話をしてる中で
なんというレベルの低さ・・・



15:
堂村 2008/2/28 21:11

>その時の奴らの顔が見ものだ

こう言うからには、いずれは混乱している彼らを尻目に、漁夫の利を得ようと対策を
立てているんでしょうか。それもないのにこのコメントをしているのなら、この幹部は
のんきかバカのどちらか、もしくは両方でしょう。

今は中国や中東のカネを吸い取ることで彼らは危機を乗り越えた気になっていますが、かならずしもすべての銀行が外国から投資を受けられるとは限りません。とくにヤバそうな
銀行なら、誰もカネを突っ込まないでしょうし。
もし、そんな銀行が一行でも破たんしたら、大混乱になるでしょうね。その時は、公的資金の導入は、きっと真剣に検討されるでしょう。
8氏の指摘されたノーザン・ロックへの対応は、まさにその通りだと思います。

残念ながら、日本の経験は反面教師にしかならず、参考にするのならスウェーデンの事例の方が、はるかに役立つでしょうね。しかも、まだ不景気から抜けない、日本の何を学べ!というのでしょうか・・・。


ちゃんと将来を見越したコメントを書いたものもいるが、どちらかというと少数派。

ところが、9月下旬からにわかに活気づいた。

18:
K 2008/9/ 6 15:19

いまこの記事を見ると、感慨深いっすね


19:
ryuji 2008/9/ 8 03:19

結局アメリカも公的資金投入なんだね・・・
でも、半年も前に日本はこう言ってたっていう事実は残る訳だから、それはそれでよかったんじゃないの?


21:
神GOD 2008/9/ 9 18:25

結局、日本のほうが経済先進国だったってワケね。彼らは今から日本の90年代をやり直すんだろう。


26:
黒馬 2008/9/25 02:39

2月段階で書き込んでる連中って本当に問題の中身がわかって
なかったんだね。
あの以前から投資銀行SIVは問題視されてたしモノライン
金融保障で問題は噴出中だったのにな。
2007年度に異常なまでに膨らんでたCDSも知らなかったんだね。


29:
風太 2008/9/30 13:03

金融工学によって生み出された「紙くず」や
「お約束」に書かれている金額を総計すると
2京円ですよ。

2万兆円です。

日本のバブルは実物不動産や実態不良債権だけ
だったから、決断した後は、公的資金による
買取、回収は確実迅速に行われたが、
「紙くず」はそうはいきません。

どこにどんな「紙くず」があるのかは
誰も分からない。 幾らと書かれてるのかも
分からない。

75兆円なんてネズミの糞程度。

バーナンキの泣き面は見れたけど、
日本のバブル崩壊の経験は役に立たないのは確か。

「アメリカ崩壊」しか選択肢は残ってないからね。


32:
32 2008/10/ 1 18:47

奴らがここまで愚かだったとは思わんかった…
バーナンキ切腹もんだな。


35:
歴史は繰り返す…のか? 2008/10/ 2 22:10

なんかこんな言葉を思い出した…
正確な表現は忘れたけど。

賢者は歴史に学び、
愚者は経験に学ぶ。


37:
コメント3番とコメント7番に注目 2008/10/ 4 10:17

経済学とかを偉そうに語る人間がどれだけ
そこが浅い知識しかない愚か者かが分かるね。

ハイエクフリードマンは本当に最低の馬鹿を生み出したな。


40:
欧米はなめすぎ 2008/10/ 7 10:32

指摘を聞かないとこんな風になるんですね(笑)
馬鹿にしすぎた罪だ。


43:
これは面白い 2008/10/ 7 14:39

記事に関しては日銀馬鹿にしすぎ、と思うけど
何より過去のコメントが恥さらしになってるところが
やっぱある程度の知識でさも経済学に精通してるみたいにふるまうのは駄目だね
いい反面教師だ


46:
感慨深い 2008/10/ 7 19:10

中央銀行は一度でも失敗すれば方々から批難されて
信用されなくなるものだが、よくぞ惑わされず
的確な情勢判断をしてくれたと思う。

逆に、外部の批判はもっともらしく見せかけている
だけで、実際は無責任であてにならないものだと思った。


50:
これは 2008/10/ 8 18:08

今となっては日銀の先見の明に感服するばかりだな。
半年前に公的資金を注入していれば…。


56:
うはは 2008/10/ 9 00:47

わかりやすいですねw
その時その時でいかにもなコメントを書き込む皆さん。
前に知ったかぶってえらそうにコメントした人達が
今度もまた実は自分はわかってた!みたいな書き込みをしているだけ。
記事内容も興味ぶかいですが、調子の言い事ばかり書き込む側がおもしろいです。


57:
PACO 2008/10/ 9 00:50

今から半年ほど前のこの記事に注目しています。当時、日本の度重なるアドヴァイスを一向だにしなかった欧米が、いまや数百兆円では済まない税金負担を強いられ、アイスランドに至っては国家破産してしまいました。恐らく今後、第二第三のアイスランドが出現するでしょう。
 
なぜ欧米は日本の経験を学ばなかったのでしょうか?
 
まさに「投入に追い込まれた時の奴らの顔が見ものだ」ですね。残念です。


60:
悲しいなあ 2008/10/ 9 01:49

まるでカサンドラの予言のようだ。
当たっても誰も幸せになれない。


66:
はいはいジャパンアズナンバーワン 2008/10/ 9 15:33

「日本の教訓学びたい」 公的資本注入で米財務次官
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20081009AT2M0900P09102008.html
ついにアメリカ政府の高官も日本に学びたいってさ。

コメントがガラリと変わり、なぜアメリカは日本の忠告を聞かず歴史を学ばなかったんだとか、やっぱり日本は『課題先進国』だったんだ、といったコメントが続く。


まぁ、また数ヶ月経ってから
「あの時は日本の存在感をアピールするチャンスだったのに」
とか後悔しないことを祈ります。

58:
通りすがり 2008/10/ 9 01:06

今から半年後にまたこの記事をみたときに、今度はどんな反応が起こるのかな。