流されず逆らわず

コンピュータ関連のお仕事をしております。不惑を超えても惑い続ける男です。二児の父。

だから私はiPhoneではなくWILLCOM03を買った


Willcom03を買って約3週間ちょい経過した。
はじめてのWILLCOMで、Windows Mobileの操作は相変わらず悪かったりで不満も多いが、まぁなかなか気に入っている。


知り合いの何人からは、「なんでiPhone買わないんですか?」と聞かれた。
iPhoneの発売日には「祭り」に参加できず、ちょっとさびしい思いもしたが、残念ながらいまのところ全く欲しいと思わない。



なんでなんだろう?
自分にとってもちょっと不思議。
けど、同じようにiPhone購入に踏み切れない人って多いんじゃないだろうか?


私にとって、iPhoneを買わない理由はいくつかある。

1点目は、すでにiPod Touchを持っていることにある。
iPhoneの革新的と言われるユーザインタフェース(UI)関連の多くはiPod Touchで実現しており、その多くはすでに体験済み。自分にとって画期的なデバイスというわけではない。


2点目は、トータルコストだ。
携帯は1台持っている。端末代金とあわせ、月に8000円超を払おうとも思わない。かなり頑張ってる価格だとは思うが、そもそもiPhoneに対して電話としての機能は期待していないので、外出用のインターネットデバイスにそれだけのお金を払う価値は今のところの私には見いだせない。


3点目は、ブラウジング
Safariはよくできたブラウザだと思う。はっきり言って、Operaなんか目じゃない。比較すること自体が失礼かもしれないと思うほどだ。初めてiPod Touch無線LANで接続してブラウジングしたときには美しいフォント、なめらかな画面推移、拡大縮小表示など、そのすべてに感動した。そして、すべての挙動に対してエレガントという言葉がしっくりくると思った。この操作感というか雰囲気はAppleじゃないとだせないだろう。

だけど、インターネット端末である以上、いろんなサイトを見られないと意味がない。
今のところはちゃんと表示できないサイトが多いし、遅い。そして、3Gの帯域をもってしても、リッチコンテンツの表示はまだまだ力不足だ。(しかも、iPhone用には帯域制限がされていると聞く)


4点目は、いろいろと制約がある点だ。
端末に対して、Appleがいろいろと自由度が制限しているってのもあまり好きではない。これはもう、感覚的なもので、うまく説明できないし、携帯でインターネット端末という試みはまだ黎明期だからこそ、避けられないのかもしれない。そして、いまの端末すべてにいえることかもしれないけど、Appleという会社の歴史をみて「すべてを自社下におけるコントロール下に置こうとしている」のがあまり好きでないかもしれない。

翻ってiPhoneを見てみると、端末メーカーとキャリアという立場の違いこそあれど、自社のコントロール下で垂直統合のバリューチェーンの構築をするって意味で、「昔のドコモ」に近いと思う。だから、iPhoneAppleとい存在は、私にとって所詮「スタイリッシュなドコモ」みたいなイメージしかない。(こんなこと書くと批判されそうだけど)


他にも、理由はある。
私はこの全世界共通のプラットフォームという考え方は好きではない。一番典型的なのが、Vodafoneだったころの日本で出た端末だろう。グローバルプラットフォームというコンセプトは主に端末価格の低廉化に寄与するものだ。端末の開発費用、端末の部材費用、マーケティング費用などなど。メリットは多い。
しかしながら、グローバルプラットフォームは全世界をターゲットとしたUIで、あくまでも、価格を安くするための全世界の「最大公約数」をカバーするためのものなので、日本人にとって最適というわけでない。iPhone購入者のブログをみているとやはり「使い勝手」に関する不満は多い。


と、まぁ書いてみましたが、興味がなかったらこんなこと書かないわけで。
いろいろな意味で、今後は改善されてくるでしょう。発売後、1年経過して、どれだけApple信者以外を取り込めるかがキーになると思う。


んで、本題のWillcom03を何で買ったんでしょうか?というと・・・

・Exchangeとの親和性
 →IMAPだけじゃなく、メールも予定表もActive Syncしたいんですよ

・いろいろいじれそうなそんな予感
 →Windows Mobileはすでに出回ってるので、実績あるソフトとかもいろいろ入れられる

・安い
 →月5000円で端末代と通信費込み。遅いけど我慢するよ。端末価格と24か月のランニングコストでみると、ほぼiPhoneの半額。



おそらく、ソフトバンクモバイル孫社長のやりかたとして、初期フェーズはアーリーアダプター向けで、通話定額プランと同様にコアネットワークへの影響とARPUを見定めたうえで、今後は加入者増に向けたプランを出してくるのは間違いない。だから、いまのところはソフトバンクにとっても「お試し期間」といえるだろう。

今後、ソフトバンクiPhone向けにさらに安いプランを出してくるだろうし、そもそもドコモが参入するという噂もまだ消えてはいない。というわけで、熱狂的なiPhone信者でない私は、今のところ生暖かく見守ろうと思います。