流されず逆らわず

コンピュータ関連のお仕事をしております。不惑を超えても惑い続ける男です。二児の父。

GoogleとSalesforceが対決するとき


少し前になってしまうが、IT Proの記事。よくまとまっている。
【解説】Google,MS,Yahoo!のWeb企業買収レース,ついに最終コーナーへ


http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080205/293133/


なるほど、と思える記事。
MicrosoftによるYahoo!買収の解説。Googleの独走を支えているのも実は買収という事実。Googleで提供される多くのサービスって、買収されたテクノロジーが活かされてるんですね。これを読むと、企業戦略上、別に買収が特別じゃないということがよくわかる。色々な業界ですでに実証されてきたように、業界が成長期から安定期に入ったときに、業界の中で整理統合が進むことは当然の成り行きとも思える。


ここ数年、Webのトラフィックを効率的に収益としてあげていく方法としての最終結論が「広告ビジネス」。結果として、Webのトラフィックを効率よくお金に換えた仕組みは「広告」であり、既に勝者と敗者が決してしまった。ドットコムブームに立ち上がった「Web2.0」企業の多くは市場から去り、生き残った企業も既に買収されてしまった。


確かに、もう買収するような会社はどんどんなくなりつつありますね。そういえば、ちょっと昔の話だけどシリコンバレーでは起業の目標として「Googleに買収されるのが目標」なんて回答も珍しくなかったようですが、最近はどうなんでしょ。。


対して、受託開発&その後の改修ビジネスへのカウンタメッセージとしてのSalesforce。こちらは既存のSIerによる受託開発のビジネスをどんどん破壊していっています。これまでの請負開発とその後のおいしい改修ビジネスに目をつけ、初期の導入コストを捨てたSaaSのビジネスモデルで既存のSIerの領域をどんどん侵食している。


どちらも新しいアプローチですが、将来的には、GoogleSalesforceのコンシュマー向けサービス対法人向けサービスという図式でお互いの領域を侵食し、直接対決をしていくという方向もあるような気がします。


法人向けサービスとしての「質の高さ」なのか、それともコンシュマー向けの「広告」なのか。イノベーションのジレンマ的にとらえると、コンシューマ向けの「破壊的技術」としてのサービスとしてのGoogleの方が将来は明るいように思えるが。