流されず逆らわず

コンピュータ関連のお仕事をしております。不惑を超えても惑い続ける男です。二児の父。

春風亭昇太さんは威厳がない男たちにとってのカリスマ

 
先日、数年ぶりに会ったお客様にご挨拶したところ、その第一声が
 
「おーっ!久しぶりだねぇ、しかし変わらないなぁ・・・っていうか、相変わらず威厳が全くないけど大丈夫?」
 
という、一風変わったご挨拶だった。
 
全く失礼なことを言うなぁ笑、と思いながらも、
そのあとは世間話に花が咲きすぎて帰路の途中まで忘れていたのだが、
ふとした瞬間にいろいろと思いだしてしまった。
 
 
 
威厳が全くない。
 
そう。俺には威厳がない。
いや、ないのは威厳だけではないのだが、とにかく俺には威厳がない。
俺と書いているが、普段考え事をするときには「僕」が主語だからなのかもしれない。
だからなのか、俺には威厳が無い。少し猫背だからかもしれない。
想定外のことがあると、挙動不審になるからかもしれない。
いや、他にもいろいろと理由はあると思う。
 
 
年下から敬語を使われないことは日常茶飯事だ。
まぁ、さすがに社会人になったら敬語を使ってくれるひとがほとんどだけれども、
取引先の人と仲良くなると、年下の人もだいたいタメ口になってくるのだが、
それはそれでよいと思っている自分が居る。
 
 
逆に、威厳を必要以上に重んじる人は嫌いだ。世に言う偉そうな人。
実際に偉い人が偉そうにするのは一向にかまわないのだが、
何も偉くなくてスキルも高くなくて尊敬できるところがないのに
偉そうにする人は嫌いだ。
この人は一体何を拠り所に偉そうにしているのだろう。そんなことを考えてしまう。
 
 
逆に、俺は威厳がない人が大好きだ。
 
 
そして、威厳がないといえば春風亭昇太さん。
はじめて春風亭昇太さんを見たのは自分が高校生のころだったろうか。
もう二十数年前。深夜のテレビ番組に若造の落語家的なポジションで出演されていました。
 
当時、高校生の私から見ても年が近いと思って勝手に親近感を覚えていたのだが、
いま調べてみると昇太さんはすでに30歳を超えていたことになる。
 
普通に考えると、高校生からみた30過ぎってかなりおっさんだと思うのだが、
風貌だけではなくタダモノではないほどの威厳のなさを発揮していた気がする。
 
 
たしか1年ほど前の伊集院光さんがラジオ(聴いたのはポッドキャスト)で
笑点の司会に選ばれた春風亭昇太さんを、
「威厳がないという特殊能力を持っている人」と評していた。
 
っていうか、威厳がないという特殊能力ってなんだよそれ笑うじゃねーか。
 
特殊能力というのには理由がある。
 
そう、上下関係が厳しい噺家の世界では、一日も早く入門していれば
厳しい上下関係を余儀なくさせる。
にも関わらず、伊集院光さん曰く、
「2年くらい先輩だけど、普通にタメ口で話せる」という春風亭昇太さん。
 
 
威厳ないもの好きの私としては、そんな話を聞くと
嫌でも好感度が高くなってしまいますよね。
 
 
まぁ、春風亭昇太さんの落語は数えるほどしか目にしたことは無く、
ほぼ日ブックスの「はじめての落語」を読んで聞いたことがあるくらい。
 
自分は落語に詳しくはないけれど、
昇太さんは才能あるひとなんだろうなぁと思う。
威厳がなくても、その人なりのスタイルをブレずに身につければ
世間的にも評価されるんではないだろうか。
そう思わせてくれるのが春風亭昇太さんなのだ。
 
そんな
春風亭昇太さんのエッセイ集がこちら。
 
楽に生きるのも、楽じゃない

 

楽に生きるのも、楽じゃない (文春文庫)

楽に生きるのも、楽じゃない (文春文庫)

 

 

 
短編小説風あり、
読書感想文あり、
落語の小説あり
 
何でもありのエッセイ集だ。
そうだ、やっぱり読書だ。週末に読むなら気軽に、読めるエッセイがよい。
また、威厳が無い人好きの俺にとっては、
大人になっても中学生に見られるエピソードなどが見られて
思わずニヤリとしてしまう。そんな本です。
 
私のような威厳が無い人は、ぜひとも手に取っていただいて
ホッとしてほしい。威厳なくてもいいよね!?的な感じで安心できます。
 
 
 
ただ、そんな春風亭昇太さんに司会交代の噂が。
 
TOKIO・城島茂の『笑点』司会就任は既定路線!?「ジャニーズにも日テレにも好都合」
 
www.cyzo.com/2018/01/post_148940_entry.html
 
世の中の威厳がない男たちのカリスマとして、
春風亭昇太さんにはここはひたすら頑張って欲しいと思う今日この頃であった。
 

 

はじめての落語。 春風亭昇太ひとり会 (ほぼ日CDブックス)

はじめての落語。 春風亭昇太ひとり会 (ほぼ日CDブックス)