ハゲタカ

ドラマを観てから「いつか読みたい小説」の１つとして
ずっと気になっていたのですが、とうとう読みました。

結論は「ドラマとは別物だが、やっぱり面白い！」

ドラマ版は鷲津がかっこいい金融ドラマ。
原作はリアルな経済小説。

おそらく、どちらを先に見ても満足できる出来栄えだと思う。
こういうことはなかなか珍しい。

ハゲタカ(上) (講談社文庫)

この小説、日本が落ちぶれた後に必至にもがいている姿を
投資ファンドの視点からリアルかつテンポよく綿密に描いてます。

日本の金融業界はある意味日本の縮図。
古きよき時代の日本・・・。
その日本がバブルを経て落ちぶれた原因はなんだったのか。

芝野には、古きよきニッポンを具現化した、熱いサラリーマン像を感じ、
鷲津には、悪しき慣習にとらわれないクレバーなビジネスマン像を感じさせる。

この小説、自浄作用が働かなかった日本。
日本の転換点であったバブルから金融危機を経て、
そしてその後を事件と関連させながらテンポよく話が展開していきます。

突き詰めていくと、
この小説は仕事人としてどう生きるか？を問うてくれる、
そんな本だと思います。