なぜか、最近マンガばっかり読んでいる。
理由は自分でもよくわからないけれども、マンガを読んでいると夢中だったあの頃の記憶がおぼろげながら蘇ってくる。なんとも言えない不思議な気持ちになる。
マンガは自分が幼かった頃に思っていたこと・・・希望、ワクワク、葛藤、怒り、悲しみ、なんでも思い出させてくれる。自分が子供だった頃には三十代中盤になってもマンガを読んでいるなんて思っても見なかったことだろうけど。
で、最近読んで面白いなーと思ったのがこのマンガ「3月のライオン」
- 作者: 羽海野チカ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2011/07/22
- メディア: コミック
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将棋を題材にしたマンガ。将棋を題材にした漫画は月下の棋士以来だろうか。
天才の将棋少年が周りの人に支えられ、苦悩をしながら成長していく話。
少女漫画っぽい味付けが随所に見られるけど、これはこれでアリと十分断言できる出来ばえ。主人公の悩みと成長ぶりが手に取るように感じられ、喜びも悲しみも含めてちゃんと感情移入できるようになっている。天才棋士の苦悩ってのも、実は年代相応の悩みなんじゃないかって感じられるから本当に不思議。
将棋会の厳しさや棋士の苦悩を描きつつ、将棋のことをほとんど知らない私のような人間にもわかるよう、ちゃんと人間ドラマになっている。1巻であえて将棋の内容を濃くしていないことも、抵抗感を低減させる仕掛けなんだと後になって気づかされましたよ。
登場人物の多くが何かしらと戦っていて、成長している。そう、人生とはかくあるべきなんだろうと改めて気づかされる。人生はいいことばかりではない、けれども、戦っていかなければならない。ネガティブだけどポジティブになろうと思える、不思議なマンガだと思います。
周囲の人の人間関係とか、ちょっと現実離れしてるライバルとかを批判してる方もいるかもしれませんが、マンガなんだからこれぐらいがちょうどいいと思う。途中のコラムも将棋会のこぼれ話などがあって最初は読み飛ばしていたのですが、後から意外と楽しいことがわかり読み直しました。
この本は後に読み進めれば読み進めるほど成長していきます。
それは、マンガの中の登場人物だけでなく、読者も、そして多分作者も。