今よみがえる大川周明
日米開戦の真実 大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く (単行本) を読んだ。
この本は、第二次世界大戦の開戦直後に、大川周明がNHKラジオ講演を行い、その速記録を『米英東亜侵略史』として発行したものを、佐藤優さんの解説つきで発行したものである。私とって近代史と現代史は学生時代以来の十数年ぶりに触れる内容だったため、注釈と本文を何度も往復しながら読みました。とても興味深い内容で引き込まれました。
- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2011/02/04
- メディア: 文庫
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大川周明が語った『米英東亜侵略史』は当時の言葉で、戦争に至るまでの目的と経緯を論理的に語っている。
当時の日本国民が「騙されていた」わけではなく、当時の時代背景や地理的な事情を勘案すると、戦争が不可避であったことを述べている。
おそらく、書かれている内容はなのだろう。ただ、事実は1つではない。歴史は勝者がつくっていくものなのだ。
この本が示唆するところはあまりにも多く、そして日本人が歴史から学ばなければならない部分も多い。
大川周明にスポットライトを当て、再評価をする佐藤氏には大いに共感する。
個人的には、「性悪説」・「性善説」の行は個人的に面白く、納得させられる分析だった。
今の日本を取り巻く厳しい状況と昔を照らし合わせ、思わず考えてしまいました。