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流されず逆らわず

コンピュータ関連のお仕事をしております。不惑を超えても惑い続ける男です。二児の父。

不毛地帯を読んだ


不毛地帯 (1) (新潮文庫)

不毛地帯 (1) (新潮文庫)


故、瀬島龍三氏がモデルとなった作品で、大本営の作戦参謀だった壱岐正が11年のシベリア抑留期間後に商社に入社し、立身出世を果たす物語です。山崎豊子さんの作品は「沈まぬ太陽」以来2つめだが、わたしには「不毛地帯」の壱岐正の行き方のほうが抵抗無く受け入れられました。


シベリア抑留の描写が長く、その陰鬱とした雰囲気にのまれ読むのをやめようと思ったが、壱岐が近畿商事に入社してからは、繊維商社の仕手戦、次期戦闘機の導入をめぐる争い、自動車会社の資本提携、石油開発などスリリングで時代を象徴するような出来事が続き、寝る間を惜しんで読み急いでしまいました。


さまざまな思いが張り巡らされる商社の中で、多くの間に立たされて苦悩する人々が緻密な描写で描かれており、そんな中でも壱岐は信念と誇りを持って強く生きています。
人は何を考え、何のために仕事をするのか・・・
そのテーマは同作者の「沈まぬ太陽」にも通じる深いテーマだと思います。結果的には読んでよかったと思える小説でした。大満足です。



また、これは作品のテーマからは大きく外れてしまいますが、私にとっては壱岐正の情報の取り扱い方法がとても参考になりました。情報の入手元と入手した情報の取り扱い、そして情報を入手した後の行動などが実に興味深かった。
と、いうわけで、時間を置いて再読したい本がまた増えてしまいました。