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流されず逆らわず

コンピュータ関連のお仕事をしております。不惑を超えても惑い続ける男です。二児の父。

企業にとってのIT投資、それは「住まい」なのでは?


最近、IT業界ってSIerってこれからどうなるのだろうってふと考えてしまう。


SaaSとかPaaSとかが出てきて、ITが水道のように、電気のようになるって一説には言われているけど、
その考え方だけだとなかなかうまくいかない・・・と私は思うんですよね。


じゃぁ、何に例えたらいいんだろう・・・。
私の結論としては、以前から言われてる「水道や電気みたいにインフラみたい」っていうよりは、むしろみんなが住んでいる家みたいな感じになるんじゃないかと。


住まいってのは、人間として営みをする以上、絶対に必要とされるものだけど、住む人それぞれによって、考え方が違うと思う。
ある人はとにかく寝泊りできるアパートでいいって考える人もいれば、広い庭にこだわったり、徹底的にゴージャスな造りにこだわったりする人もいる。会社においても、個人においても、他者と差別したいって感情は確実にあるのではないか。


そんなことをおぼろげに考えていたところ、会社の同期が、建築家に管理設計を頼んで家を建てた話を聞いた。私の友人にも一軒家を買ったのがいるけど、建売り住宅だったり、ハウスメーカーに頼んだりというパターンが多く、建築家に頼んだ人は初めてだったので、すげー高かろうと思って聞いてみたのだが、意外にそうでもなかったとか。


話をいろいろと聞いてみたが、いろいろと興味深い話がおおかった。住宅業界の人たちにとっては結構普通の話かもしれないけど、ITと関係するような話が多かったので書いてみる。以下、会社同期の話。



○家を建てる方法と、それぞれに対するイメージ

土地を持っている人が家を建てる方法は主に3つある。
1つめはハウス(住宅)メーカーに頼む方法、2つ目は地元の工務店に頼む方法、3つ目は建築家に設計管理を頼み地元の工務店に頼む方法。

ハウスメーカーに依頼するパターン。このパターンが一番多いだろう。大手のハウスメーカーに対するイメージとしては、大手の安心感やブランド力があることや、住宅展示場で実物を見やすいこと、連絡を取って相談しやすいなどの利点がある。

対して、一般的な建築家に依頼して家を建てることに対するイメージは、自分が好きな家が建てたれると思う反面、なんとなく高くなり総工費の他に設計料まで取られるってことや、建築家に頼むのは心配(品質や耐震性など)だったり、中小工務店と直接契約して、もし潰れたらどうするのって不安要素のほうが多いというイメージがあるようだ



○家を建てる方法に関する誤解

建築家にお願いすると、高くなるのでは?というのは誤解らしい。同期のSに聞いたところ、ハウスメーカーが建てる家とほぼ変わらないコストで家を建てることができ、品質や耐震性についても遜色がないとのこと。


 誤解その1:見積
 ハウスメーカーは「一式」で計算、建築家は詳細を提示
 →建築家の見積はハウスメーカーのように「一式」ではなく、明細をきっちりだしてくれるので、逆にわかりやすい
 →建築家の見積は、建築家が見積もり査定作業をしてくれるので、無駄なコストを抑えられる


 誤解その2:全体コスト
 ハウスメーカー → 建築費以外にも広告費やモデルハウス維持費用などに1/3の金がかかっており、その費用が建設費に転嫁される
 建築家に依頼する場合 → 広告費などの間接費用は不要。ただし、建築家に依頼する費用が必要。
 (ただし、建築家に払うコストを払ったとしても、建築費用は住宅メーカーよりも建築家に依頼するほうが、家本体に多くの費用をかけられる)


 誤解その3:安全性
 きちんとチェックを行っているため、安全性は担保されるという。

 →工務店は実績/実力のある数社による競争入札にて選定
 →耐震性の構造計算は外部に委託してチェック(姉歯事件を契機に厳格化されています)
 →建築家のスタッフは、概ね1週間に1度は監視/検査/管理のために現場へ
 →工務店の現場監督と毎回2時間は打ち合わせをし、施主の立場でチェックや是正を指示


 誤解その4:倒産リスク
 工事の途中で工務店が倒産するリスクってあるんじゃないの?という問いに対しては

 →「完成保証制度」の共済金に加入してる工務店であれば万が一の場合にも安心


○建築家に依頼する場合のデメリット
着手金(現金)が必要になることと、手間がかかることの2点。

建築家に払う設計料や工務店への着手金がかかることが一番大きなデメリットという。つまり、現金が必要。
もう1点、丸投げでお願いできる住宅メーカーとは違って打ち合わせの回数が増え、手間がかかるなどのデメリットもある

とまぁ、こんな感じ。
ほかの人と区別したいという欲求が人にあり、会社が生き残るためには他社との差別化が必要な以上、家もITシステムもカスタマイズできる領域は、少しずつ領域を減らしつつも、確実に生き残っていくだろう。


これら一連の話を聞いた時、依頼方法、カスタマイズ、コストの算出ロジックなどITシステムに似通った部分があるなーと感じてしまった。んで、人が住むことと、企業におけるITを比較するとこんな感じになるのではないか?と考えてしまう。


・建築家が建てる家 → フルスクラッチで開発されたシステム
・注文住宅 → パッケージを使った上で、追加開発されたシステム
・建売住宅、もしくはマンション → パッケージの機能だけで構築されたシステム
・賃貸マンション、もしくはアパート→SaaS


みたいな感じだと思うんですよ。


SaaSの領域はどんどん増えていくだろうけど、建築家にお願いする家の需要がちゃんとあるように、スクラッチ開発やパッケージで作られた開発ってのはなくならず、ニーズに合わせてうまく住み分けをしていくのでしょう。


ま、いろいろと聞いてみたが、家を建てるというのはなんだかプロジェクトに近くて、なんだか楽しそうだな〜というのが私の感想。