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流されず逆らわず

コンピュータ関連のお仕事をしております。不惑を超えても惑い続ける男です。二児の父。

何かに特化するということ

最近、自分のキャリアというものに敏感になっている自分がいる。新人の時には考えなかったけど、年々強く感じるようになって来た。32歳という年齢ゆえ、そろそろマネージャの役職を意識しながら仕事しないといけないと思いつつ、いちど立ち止まってみようと思う年頃なのかもしれない。


どうしてか。
某ITベンダーでこれまで主に通信事業者を相手にずっと営業をしてきたが、やはりというか、ここにきて当然のごとく売れなくなってきている。
これまでは、日本企業の不況の時も、ドットコムバブルの時もはじけたときも、どこ吹く風という感じで乗り切ってきた。でも、携帯事業者などが加入者頭打ちの安定成長期に入り、顧客奪い合いのMNPがひと段落し、次の商売ネタのNGNもよくわからんなーという谷間の時期において、企業は何するかっていうと、やはりコスト削減なんです。


企業として当然の行為だし、イノベーションが期待できない状況下ではいたしかたない。まぁ色々なネタでそこそこ商売にはなるのだが、以前のような勢いは無く、何かがもの足りない。ケータイが普及期のような「すごい勢い」が全く無いんですよ。これまでイケイケだったのが、まぁ普通の状態に成り下がったって話。まぁいまの状態の方が健全なのかもしれんが。コスト競争というゲームの中でいかにして争うのは悪くないんですが、以前の仕事とあからさまに比較して端的に言うと、「面白くなくなっちゃった」んです。


だから、最近、自分が次のステップとしてどの方向に進むべきか、選択肢を広げるために先輩やら転職屋さん(キャリアコンサルタント)さんに色々とアドバイスをもらっている。が、この状況下だと同じことを考える人が多いらしく、ITベンダーからの求職だと、以前にもまして通信関連の仕事をしてたって人がメチャメチャ多いらしい。



そこで痛感した事実。
ある1つのことに特化して何かを成し遂げることも評価されるけど、履歴書に書けるような経歴としては、色々な経験を数多くこなしてますって書けるほうが有利なんだそうな。特に、私のように「通信業界に対してずっとIT会社でSI営業してました」って人はいま市場に溢れており、必ずしも強みにならない。むしろ、短期間でも色々な業界を経験していたほうが高い価値を認めてもらえ、「つぶしがきく」のだそうだ。営業としての専門分野(って言ってもたいしたことありませんが)を磨いてきた(と、自分で信じている)と思っている自分にとってはショックな話だった。


そう思っていたら、ずいぶん前に読んだあるスポーツ雑誌のコラムをふと思い出してしまった。
かつて、オリンピックの水泳で金メダルを獲った鈴木大地さんが書いたもので、確かこんな内容だったと思う。

鈴木大地さんは)今までずっと水泳ばかりやってきた。オリンピックで金メダルもとった。そして、引退した。自らの競技人生を追えて次のステップに進んだが、何かほかの事をしようとすると他人と比較して不自由を感じることが多い。なぜなら、水泳以外のことをほとんど知らないからだ。

色々な人に言わせると「水泳で世界一になれた経験があるんだから、他の分野でも頑張ればそれなりの結果が残せるよ」と言うんだけど、果たしてそうだろうか・・・。でも頑張ってみようと思う。


と、まぁ詳細は覚えていないが、といった内容だったと思う。メジャーな種目でオリンピックで金メダルを獲る人でさえ、こういう苦悩はするんだなぁと当時思った記憶がある。もちろん、オリンピックで金メダルを獲る人と、普通の仕事やってるごくフツーの自分を比較すべくもないわけだが。

でも、何かに特化することは、他のいろいろな何かをあきらめなきゃいけないわけで、それだけでもリスクがあることを認識しなきゃいけないんだと改めて感じた。そのリスクを減らすためには、仕事やプライベートの時間を使って自ら他の経験を求めることと、他の人と比較しても突出した何かを持つことなんだなと考えてしまった。